『ファラオの密室』白川尚史
古代エジプトが舞台のファンタジー要素を含んだミステリー小説『ファラオの密室』。
いつかは訪れてみたいと思っている憧れの地・エジプトに思いを馳せながら、手に取った一冊です。
物語の主人公は、上級神官書記だったセティ。
王墓の崩落事故によって命を落とし、ミイラとなり、冥界で“死者の審判”を受けることになります。
しかし、心臓に欠けがあるため、審判を受ける資格がないと告げられます。
セティは自らの魂を救うため、現世に戻り、失われた心臓の欠片を探す旅に出るのです──。
ミステリーの要素に加えて、古代エジプトの神々や信仰、ミイラ職人の仕事など、興味深い文化的背景も描かれており、読むほどにエジプトへの関心が深まっていきます。
死後の世界と現世が交錯する幻想的な世界観の中で、ひとつひとつの謎が明かされていく構成も面白く、まるで考古学の謎解きをしているような感覚に。
エジプトの歴史や神話に興味がある方、ミステリーとファンタジーの融合が好きな方にぜひおすすめしたい作品です。
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