『美食の教養――世界一の美食家が知っていること』浜田 岳文

bisyoku

美味しい料理を食べるのは、人生の大きな喜びのひとつ。

でも、「美食」とは一体何なのか?どうすれば本当に“美味しい”ものに出会えるのか?

世界No.1のフーディー、浜田岳文さんがその問いに真っ向から向き合ったのがこの本です。

浜田さんは、世界のトップレストランを年間200軒以上訪問し、

2018年から6年連続で「OAD(Opinionated About Dining)」レビュアーランキング1位に輝いている“美食のプロ”。

そんな彼が「美食とは?」「行く価値があるお店とは?」「いい客になるための美食講座」など

美食の世界を深く知るためのヒントが惜しみなく語られています。

実際に著者が訪れたレストランの紹介も多数登場します。

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印象に残った言葉と気づき

行く価値があるお店とは?

料理人が料理を突き詰めて考えている店です。

浜田 岳文. 美食の教養――世界一の美食家が知っていること (pp. 29-30). (Function). Kindle Edition.

好き嫌いは、人間だから当然あります。ただ、それを良い悪いと混同してはならない。

浜田 岳文. 美食の教養――世界一の美食家が知っていること (p. 27). (Function). Kindle Edition.

まさに浜田さんが言うように、「好き嫌い」と「良し悪し」は分けて考えることが、美食を深く味わうための第一歩なのかもしれません。

私はつい「これは好みの味で美味しい!」と評価してしまいがちですが・・・

料理人の技術や意図、文化的背景などを理解した上で味わうと、まったく違った発見がありそうです。

日本人と外国人を比較すると、好みの違いはより顕著になります。特に違うのは、塩味に対する感覚かもしれません。

浜田 岳文. 美食の教養――世界一の美食家が知っていること (p. 50). (Function). Kindle Edition.

ジョージアでヒンカリという、大きい小籠包を食べたのですが、生地がすっごくしょっぱく感じるお店があったのです。

食べた時に驚いてしまったのですが、これを読んで、なるほど!となりました。

日本の味覚とは違う前提があると思うと、単なる「しょっぱい」ではなくて、「この土地ではこれが美味しいとされているんだ」と、視点が広がります。

さいごに

美食を味わう「視点」をもらえる一冊。

この本を通して、「美食」とは単に“高級で美味しいものを食べること”ではなく、料理人の哲学や文化背景に目を向けながら味わうことだと気づかされました。

好みだけで判断しないこと。「この味のどこに意図や工夫があるのか?」と考えてみること。

そうやって料理に向き合うことで、味の奥にある“物語”を感じられるのかもしれません。

これからレストランを選ぶとき、そして一皿に向き合うとき、この本で得た“美食の教養”がそっと背中を押してくれそうです。

読んでいる途中から気になるお店が続々と登場するので、私はGoogleマップに保存しながら読み進めていました。

「今すぐは無理でも、いつか行ってみたい!」そんなふうに思えるお店との出会いも、この本の大きな楽しみのひとつです。

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