2021年 私のおすすめ本12選

2021年 私のおすすめ本12選

2021年に読んだ本の中で、個人的な感想になりますが、良かったと思う12冊をご紹介したいと思います。

 

  • 「旅をする木」 星野道夫
  • 「十五少年漂流記」 ジュール・ヴェルヌ
  • 「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ
  • 「南極ダイアリー」 水口博谷
  • 「八十日間世界一周」 ジュール・ヴェルヌ
  • 「エンデュアランス号漂流」 アルフレッド・ランシング
  • 「ザリガニの鳴くところ」 ディーリア・オーエンズ
  • 「地底旅行」 ジュール・ヴェルヌ
  • 「嘘つきアーニャの真っ赤な嘘」 米原万里
  • 「複合汚染」 有吉佐和子
  • 「複眼人」 呉明
  • 「アーサーマンデヴィルと不合理な冒険」 宮田珠己

 

 

以下には、本の簡単な紹介文を載せています。

・『旅をする木』星野道夫

写真家として活躍された星野道夫さんのエッセイ集。

アラスカという極北の自然が丁寧に表現され、写真はなくてもその様子がありありと目に浮かぶ。

読んでいるとアラスカへ行ってみたいと思わせられてしまう。

 

 

・『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ

8歳から14歳の少年達15人だけを乗せた船が、島か大陸かもわからない岸部に座礁。

少年達は知恵を使い、時には勇気を振り絞り、生きていくために誰もいない所で生活をしていく。

その月日はなんと2年。

少年達の知識の豊富さや工夫する力、思慮深さに驚き、感心する。

大人になってからでも面白かったが、子ども時代に出会いたかったと思う1冊である。

 

・『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない、高い周波数で鳴く、世界で一頭だけの正体不明の種のクジラのこと。

その鳴き声は1980年代から様々な場所で定期的に検出されているそうだ。

広い海の中、仲間がいるはずなのに何も届かず、何も届けられないことから、世界で一番孤独と言われている。

虐待されていたり、孤独の中から助けて欲しいと声をあげることができない人たちのストーリーとなっている。

 

・『南極ダイアリー』水口博也

写真家でジャーナリストの水口博也さんが120枚の写真とともに、動物の氷の楽園から温暖化について考える。

ペンギンたちを中心に、極地に住む動物達を長年に渡り見てきたことで気づいたことや、目に見える変化が記録されている。

近年では棚氷が割れて、巨大な氷山が海に流れることが多くなっているのだが、その影響でアデリーペンギンの2万番いのコロニーでは、2羽の雛を残して全ての雛が餓死してしまう出来事が起こっていた。

人間たちのせいでお腹を空かせて、たくさんの雛たちがなくなってしまったなんて…

温暖化ということが環境や動物たちの生態にどのような影響を与えるのかが具体的に書かれていてとてもわかりやすい内容となっている。

コウテイペンギンの赤ちゃんが可愛くって、を実際に見に行ってみたくなった。

  

・『八十日間世界一周』ジュール・ヴェルヌ

1873年にフランスで出版された、80日間で世界一周を目指す冒険小説。

80日以内に達成しなければならず、急いでいる旅のため、とてもスピーディーな展開で進んで行く。

道中で様々なトラブルに見舞われるため、ドキドキハラハラ。

  

・『エンデュアランス号漂流記』アルフレッド・ランシング

1914年、アーネスト・シャクルトンを隊長とした、28人の探検隊員が南極大陸陸路横断に挑戦。

エンデュランス号に乗り出発するのだが、途中で流氷に囲まれ、沈没してしまう。

氷の上に残された隊員達は極限状態の中で、17ヶ月もの間を乗り切り、全員が見事に生還を果たした。

100年以上前に実際にあった出来事で、その冒険の全貌が書かれている。

  

・『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ

ノースカロライナで男性の死体が発見されるという事件が起きた。

村の人々は湿地にひとりで暮らす少女カイアに疑いの目を向ける。

カイアが6歳の頃、母は家から出て行き、そこから家族はバラバラになっていく。

湿地という大自然の中でたったひとり成長していく様子と、事件の起きている今を行き来しながらストーリーが進んで行く。

著者が動物学者であることもあり、情景の描写が繊細でいて、鮮やかである。

ミステリーのような、成長物語のような、ロマンスのようでもあり、様々な要素が取り込まれている。

カイアの強さ、美しさに感動する。

  

・『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ

ディズニーの「センター・オブ・ジアース」の元となっている作品。

鉱物学の教授が、地球の中心を目指して地底を旅するドキドキハラハラの冒険ストーリー。

ところどころに出てくる挿絵も面白い。

 

・『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

1960年1月から1964年10月までの約5年間、小学生だったマリはチェコスロバキアのプラハにある在プラハ・ソビエト学校に通っていた。

当時、この学校には50ヶ国以上の国の子どもが通っており、様々な背景をもつ個性豊かな友達に囲まれ小学生時代を送っていた。

父の任期が終わり、帰国したマリは、しばらくは友人たちと文通をしていたが、入学試験などに忙しく、途絶えてしまう。

またすぐにみんなに会えると思っていたのに、1度も会うことがなかった。

それから30年の月日が流れ、社会主義体制の崩壊により、東欧諸国の運命が揺れ動く中、その影響をもろにもろ受けた友人たちはどうしているのかと、捜す旅に出かけ、子ども時代には知らなかった真実を知ることとなる。

子ども時代のエピソードが鮮明に描かれていて、知らない世界の話を知ることができる素晴らしい作品。

実際のドキュメンタリー映像がユーチューブにあったので、読んだ後に見るのもおすすめ。

 

・『複合汚染』有吉佐和子

複合汚染が与える環境や、生命への影響について訴えている。

1975年4月に新潮社から発行された古い本であるが、無農薬、自然農法、無添加などそういったものに興味がある方におすすめの内容。

 

・『複眼人』呉明益

人口を増やさないために、次男が生きられないという掟があるワヨワヨ島に住んでいた少年アトレ。

海辺の家に暮らす、大学教師のアリスは、夫と、息子を失い、自殺をしようと考え身辺整理をしているアリス。

ある日大きな地震が起こり、ゴミの島がアリスの家に押し寄せてくる。

海と山の大自然を舞台に環境問題や、動物愛護、台湾の原住民族のことなどの要素が盛り込まれている。

しとしと降り続く雨のような、独特のもの哀しさが漂う空気感や、ワヨワヨ島のファンタジー感に惹きつけられたり、登場人物達がどういう風に繋がっていくのだろうと気になり、引き込まれていくストーリー。

 

・『アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険』宮田珠己

自宅にある苔の庭を愛するアーサー・マンデヴィル。

ある日ローマ教皇より、アーサーの父が記した「東方旅行記」に登場するプレスター・ジョンなるキリスト教徒の王に書簡を届ける使命を与えられる。

「東方旅行記」と故郷イングランドからイスタンブールを経て、エルサレムやバビロン、さらにその東方にあるオリエントの国々を34年もの長い年月をかけて回り、その旅先で見聞きした諸々の事柄を書き記したものである。

しかし、これは、父の嘘が記されているのである。

なぜなら、この間に父は自宅にいたからだ。

しかしローマ教皇から与えられた使命である。

アーサーは、好奇心旺盛で書物好きの不思議な弟エドガーと、柄の悪い修道士ぺトルスと共にありもしない国を目指して旅に出ることとなる。

ぜ映画でも見てみたいと思うような想像力をかき立てられるようなファンタジーで、ストーリーの世界観にグッと惹き込まれていく。

また、網代幸介さんによる表紙と、中のじゃばら仕立ての挿絵がとても可愛いのもこの本の魅力だ。

 



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