『未必のマクベス』早瀬耕
IT企業に勤める、中井優一は東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。
同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させ、帰国の途中、飛行機トラブルにより急遽マカオに到着することとなる。
ホテルで客引きをしていた娼婦に「あなたは王として旅を続けなくてはならない。」と予言めいたことを言われる。
その後、香港の子会社の代表取締役としての移動を命じられたが、それは左遷であり、命をも狙われるような罠にはめられていくこととなる。
戯曲のマクベスをなぞったミステリー小説であるが、初恋の相手を強く思い続けるような恋愛小説でもある。
高級ホテルのバーや、香港の美しい夜景などのキラキラした世界で、普通のサラリーマンだった優一が、初恋の相手、鍋島冬香を救い出すために、パスポート偽造や殺人などの犯罪を淡々と犯していくのが、テンポもよく、長編であるが一気に読みたくなるようなストーリー展開だった。
登場する女性もクールでカッコよく、美人でスタイル抜群の人物も登場し、映画化して面白そうだなと思った。
でもラストの展開はなんとなく想像していたが、ショックだった。
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