『四隣人の食卓』ク・ビョンモ
「夢未来実験共同住宅」という人里離れた所にある、少子化対策として国が整備した若い夫婦むけの共同住宅を舞台に、そこに暮らす4家族のストーリーです。
庭にある、大きなテーブルを囲み、毎日みんなで仲良く食事を共にする暖かなストーリーなのかと思っていたのですが全然違いました。
お互いが気持ちよく暮らせるための気の使い方、価値観の押し付け、家族間の距離感などがなんとも息苦しく、負担に感じてしまうそんなストーリーでした。
共同保育に負担を感じる母親や、共同保育で上の子に負担がかかっていても気づいてあげられない大人。
ある家の夫の車が故障し、車が直るまで、一緒に車で通勤しているうちに、セクハラとも取れるような行動を取られたり。
共同住宅の象徴となっている13人が座れるという大きすぎる食卓。
大きすぎて動かすのも大変な食卓。
あとがきに、大きくなればなるほど、真ん中に広がるのは空白と書いてありました。
共同住宅で過ごす家族を見事に象徴しているのだなと納得しました。
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