『代替医療解剖』サイモン・シン,エツァート・エルンスト
鍼治療、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などの効果について研究した結果が書かれています。
中々のページ数で、私には教科書のように感じ、途中くじけそうになりましたが、ほとんどはプラセボ効果という結果に驚きです。
くじけそうになりながらも読んでよかったと思いました。
特に私が興味深かったのはアーユルヴェーダについての内容です。
アーユルヴェーダの全体としての医療体系を検証するという臨床試験はまだ行われていませんが、部分的に研究されていて、バラつきが多いそうです。
ヨガは心血管系の健康に役立つ事が示されていますが、インド式マッサージは、脳卒中患者に対して効果があるというはっきりとした証拠は得られていません。
ハーブ薬の中には有害反応を引き起こすものもあれば、中華人民共和国から来る植物性薬品は、検出にかかるレベルの重金属含まないものから、含まれるものまで様々で、成分のほとんどが水銀という製品もあるそう。
アーユルヴェーダのハーブ薬も重金属に汚染されている事が多く、2003年、ボストンの医学研究者たちが、地元の店を片っ端からまわり70種類のアーユルヴェーダのハーブ薬を購入してみると、10商品のうち1つには、標準的な安全基準を上回るヒ素を含み、最悪の場合では、許容レベルの200倍ものヒ素が含まれていることが判明しています。
また10商品に1つは、許容レベルを超える水銀が含まれ、最悪の場合では安全レベルの1000倍にも達していました。
5商品に1つ許容レベルを超える訛りが含まれ、最悪の場合には、安全レベルの10000倍以上もの鉛が含まれていました。
また、ハーブ薬には、期待される効果を出すために、通常医療の薬が含まれているものもあったのです。
そのため、アーユルヴェーダは容易に評価することのできない複雑な医療体系であり、いくつかは効果も認められているが、重大な危険もあるということです。
他には、食事療法のこと。
マクロビオティックなどの様々な食事療法も健康について根拠のない主張をしているそうです。
ただ、特定の症状に対しては推奨されてもいるのですが、本当に効くのか見極める必要があるそうです。
看護師のナイチンゲールの統計学者として活躍も面白かったです。
あと、様々な事を考慮した上で検証し、エビデンスを明らかにしていく過程は、つくづく労力のいる大変な作業だなと・・・。
根気強く検証した人たちに感謝の気持ちが湧いてきます。
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