『ミシンの見る夢』ビアンカ・ピッツォルノ

『ミシンの見る夢』ビアンカ・ピッツォルノ

舞台はイタリアの19世紀末で、お針子さんとして生きた女性のストーリーです。

主人公の「私」は5歳の時に大流行していたコレラで家族を失い、祖母と2人で暮らしていました。

お針子さんとして働く祖母は、裁縫や刺繍を細かく綺麗に仕上げる腕前と誠実さで町では知られていました。

「私」は7歳の頃から遊びを通し針仕事を教わっていました。

階級社会にあるイタリアで、お針子さんは上流家庭のお屋敷に出向き、洋服や肌着などをサイズを合わせて作ります。

祖母が亡くなってからも、男性が優位な社会でお針子さんとして1人で生計を立てながら生きていきます。

エステル嬢との深い関係や、英語教師でお金持ちなミスの不可解な死、身分の違うグイドからの熱烈なアプローチなど様々なことが起こります。

後半の理不尽な言われように苦しくなり、エピローグではショックな出来事が起き、とても悲しい気持ちに。

でも幸せに生きていった「私」の力強さには勇気をもらいました。

 

表紙の手回しミシンを使っている女性は「私」なのでしょうか?

だとしたらこのミシンはきっとエステル嬢にもらった手回しミシンですね。

このミシンであらゆるものを作り、このミシンと共に、色んな物を見て、人生を歩んだのです。

下着から全て手作りで、成長してサイズアウトしたら、裾を出したり、見繕ったりとボロボロになるまで、使用するというのは、ファストファッションで溢れる現代には考えさせられました。



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