『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期をつくる」』石井光太

『こどもホスピスの奇跡 短い人生の「最期をつくる」』石井光太

突然ですが皆さまは「ホスピス」をご存知でしょうか?

ホスピスとは、生命を脅かす病気の患者さんが安らかに過ごせるためのターミナルケア(終末期ケア)を行う施設のことや、在宅で行うターミナルケアのことを言います。

この本では、余命宣告をされた子ども達が家族みんなで過ごせ、生涯忘れない思い出を作ることができる場所として日本で初めて、こどものためのホスピス「TSURUMIこどもホスピス」が大阪の鶴見緑地公園に誕生するまでのことが記録されています。

短い人生でも深く生きるため、家族や医師、看護師、保育士、起業家などの関わった人達の奮闘が書かれています。

実際のスタッフやこどもたち、ご家族の胸に刺さる行動や言葉が数多くあり、私の知らない世界を知りました。

 

難病の子ども達は辛い治療を終えて社会に戻った後も、身体障害、病気のリスク、社会的孤立といった問題を背負って生きていかなければならず、自殺率が高いそうです。

統計は出ていないようですが、感覚では、健康な子どもに比べて10倍くらいは自殺率が高いのではと・・・。これには衝撃を受け、社会全体ですぐにとりかからないといけない事だなと思いました。

私に何かできるという力はないのですが、1人でも多くの人がこの現実を知る事は大切だなと思います。

 

神経芽腫でなくなった2歳の男の子が、最後の旅行先として、ユニバーサルスタジオジャパンへ出かけ、お土産コーナーで『「これがいい!これがほしい!」と生まれて初めて見せたわがままに、ご両親は自我の芽生えを感じ取り、全身を病魔に侵されてもなお成長をつづけていることにこみ上げてくるものを感じた。』

という一節、嬉しいのに辛いなんともいえない気持ちでいっぱいになりました。 

脳腫瘍を患った5歳の女の子、歩乃果ちゃんもとても印象的でした。

自分の感情を言葉にできる子どもだったようで、楽しみにしていた映画の日の朝、ひどい頭痛に襲われベッドから起き上がることもままならなかったため、両親は体調が良くなってから行こうとキャンセルとなったそう。

しかし、『頭が痛いのはいつものことなの。それに何かをしてすぐに治るわけじゃないんでしょ。それなら頭が痛くたって映画館につれ行ってほしかった。』と後日スタッフに言ってていたそうです。

また、『病気と闘うのはしんどいよ。でも、いつでもママが歩乃果の味方になってくれる。だから治療がうまくいかなくてもいいの。ママが味方になってくれることを感じられるだけで嬉しいから。』

『お母さんはいつも私が痛くないように準備してくれる。痛いかどうかより、お母さんがそんな風に考えてくれることが嬉しいの』

などと言葉を残していました。

小さな子どもがそんな風に思いながら、過ごしていたのかと思うと胸に刺さるものがあります。

 

この本を読んでいると、愛らしい子どもの姿が浮かび上がってきて、何か自分も力になりたいと思わずにはいられませんでした。

そこで私は寄付ができるので、寄付をしてみました。

素晴らしい経験や楽しい思い出作りに繋がると嬉しいなと思います。 

さいごに

TSURUMIこどもホスピスのホームページはこちらからご覧ください。

この本は楽天ルームでもご紹介しています。

Aimiworldの楽天ルーム



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