『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里
1960年1月から1964年10月までの約5年間、小学生のマリはチェコスロバキアのプラハにある在プラハ・ソビエト学校に通っていました。
この学校には50ヶ国以上の国の子どもが通っていました。
男の見極め方を教えてくれたギリシャ人のリッツァや、いつも嘘をついているけど、みんなに親しまれているルーマニア人のアーニャ、優等生で絵が上手で北斎が神と言っていたユーゴスラビア人のヤスミンカ。
様々な背景をもつ個性豊かな友達に囲まれ小学生時代を送っていました。
父の任期が終わり、帰国したマリは、しばらくは文通をしていましたが、入学試験などに忙しく、途絶えてしまいます。
またすぐにみんなに会えると思っていたのに、1度も会うことがありませんでした。
30年の月日が流れ、社会主義体制の崩壊により、東欧諸国の運命が揺れ動く中、その影響をもろにもろ受けた友人たちはどうしているのかと、捜す旅に出かけます。
そして子ども時代には知らなかった真実を知ることとなります。
子ども時代のエピソードが鮮明で面白かったです。
また、親の影響で異国の学校に通っている子どもたち。
自国のことを子どもながらに背負っている姿に感心しました。
このような経験をした人は限られていて、きっと作者にしか書けない内容です。
自分が全く知らない世界の話を知ることができ、素晴らしい本に出会えたなという嬉しい気持ちになりました。
さいごに
この再会のエピソードは、ドキュメンタリー映像の時のことが書かれいるのかな?
古い映像ですがユーチューブに動画があり、重なる部分がほとんどでした。
本を読んでから、再会ドキュメンタリー映像を見てみるのもおすすめです。
当時の国の雰囲気知ることができたり、再会の感動や友人たちの大人になった姿を見ることができます。
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