『ルネサンスの女たち』塩野七生
塩野七生さんの原点となる第1作目です。
男性の時代とされていた15世紀後半から16世紀前半にかけて生きた4人の女性たちを主人公に描かれています。
歴史的叙述では女性は男性たちの犠牲者として描かれる事が多かったのですが、この作品は女性ですは男性の被害者とは限らないといった、別の視点となっています。
主人公となる女性は以下の4人です。
・イザベッラ・デステ
・ルクレツィア・ボルジア
・カテリーナ・スフォルツァ
・カテリーナ・コルネール
それぞれの置かれる状況での逞しい立ち振る舞いに、感動しました。
イザベッラ・デステの夫が捕虜として捕まってしまった際に、自由になれるよう様々な事を考え行動を起こし、国を守ろうとする姿はとてもかっこいいです。
特に印象的だったのは当時の貴婦人たちの流行の先駆者となったカテリーナ・スフォルツァが、陰謀者たちが子どもを使って彼女の変心を試みようとした時に、スカートの裾をパッとまくり上げて
「何たる馬鹿者よ。私はこれであと何人だって子供ぐらい作れるのを知らないのか!」
と言い放ったシーンです。
25歳の美しい伯爵夫人のこの度胸には驚きです。
カテリーナ・コルネールがキプロス島に出発する時のヴェネツィアでの描写も美しく惹かれるものがありました。
海の都の物語も読んでみたいという思いが強くなりました。
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