『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう

『滅びの前のシャングリラ』凪良ゆう

17歳の高校に通う江那友樹。同級生からいじめを受け、心の中でこっそり呪いをかけて耐える日々。

本気の呪いは自分に返ってきた時に辛いので、ユーモアを残した呪いです。

ある日、一ヶ月後に小惑星が落下し、地球が滅びると報道され、そこから世界が一変していきます。

学校一の美女、藤森さんに小学生の頃から片思いしていたのですが、東京へ一緒に行くこととなります。

間もなくみんなが死ぬといことで、世の中は荒れ、自殺する人や殺人を犯す人などが増えていく世界になってしまいます。

友樹、藤森さん、友樹の母の静香、殺人を犯したヤクザの信士、歌手の路子は、残りの一ヶ月を、精一杯向き合い、生きていきます。

いじめられっ子の友樹が好きな女の子を命懸けで守る姿には驚き感動しました。

静香は度胸があり、頼もしい母親で、かっこよく、親子のやりとりが素敵でストーリーに引き込まれていきました。

また、最後の時がよければ、自分の人生は良い人生だったと振り返ることができるんだな。だったら後悔しないように生きていかないといけないなと思いました。

普段からもし近いうちに死んでしまうとしたら?と思いながら過ごしてみるといいのかなと考えてしまいました。

それはそれでサボったりしてしまいそうで難しいような気もしますが。。。

どんな状況に置かれていても、今ある幸せを感じられるような強い人間でいたいなと思いました。

ちなみにシャングリラとは理想郷という意味のようです。

滅びの前の理想郷。

なるほど。と読んだ後、タイトルに納得しました。

初回限定で付属していたスピンオフのイ『スパハン』も面白く、もっと長く読んでいたいなと思いました。

さいごに

凪良ゆうさんの本屋大賞を受賞の「流浪の月」もオススメです。



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