『祖母姫、ロンドンへ行く!』椹野 道流 

book3

『祖母姫、ロンドンへ行く!』椹野 道流 

インパクトのある祖母姫というワード
「おばあちゃん?」
「お姫様?」
「ロンドン旅行のお話?」
このタイトルとおしゃれな表紙に惹かれ、思わず手に取った一冊。


ロンドン旅行へのきっかけとなったのは、お正月に親戚で集まった時だった。
著者がイギリス留学中の想い出話をしていると、祖母がふとこう言った。
「一生に一度でいいからイギリスに行きたい。お姫様のような旅がしてみたいわ」
この一言から、一族総出で支援することとなり、孫娘である著者が連れて行くことに。
こうして「ロンドンお姫様旅行計画」が発動する。
80歳を超える祖母と孫娘、2人きりの5泊7日の旅。
往復の飛行機はファーストクラスで、宿泊先はロンドン中心部の5つ星ホテル。
祖母の希望は、高級百貨店でのショッピング、憧れのオリエント急行やアフタヌーンティーなど
まさにお姫様のような旅。
しかし、著者はイギリスに住んでいたことがあるといっても、ハイクラスな過ごし方は未知の世界。
そんな不安を抱えながらの出発だったが、空港に着いた瞬間から、祖母はお買い物モード前回!
旅の序盤も序盤から振り回されることに……!
笑いと感動が詰まった、2人のロンドン珍道中を描いた旅行エッセイ。

・まさに「姫」のような祖母に圧倒される。
祖母はただのおばあちゃんではないのだ。
自信たっぷりで頑固、でもどこか愛らしく、趣味にも全力投球。
審美眼も持ち合わせ、本当に姫のような威厳があった。
そんな祖母に振り回されながらも、高齢の祖母が快適に過ごせるようにと奮闘している秘書係に徹する、著者の健気な姿に心を打たれた。

・5つ星ホテルの「バトラー」という存在に驚いた。
一流ホテルでのバトラー。
プロの仕事ぶりが、とにかく凄いのだ。
「私もいつかこんなホスピタリティを体験してみたい!」 と強く思った。
そのためには、自分自身もそのサービスを受けるのにふさわしい人間でありたいな……
と、妄想が膨らんでしまった。

・「やりたいことは、口に出せば叶うかもしれない」
もし祖母が「イギリスに行きたい」と言わなければ、この旅は実現しなかった。
やりたいことは、年齢に関係なく口に出してみることが大切だ。
思わぬ形で夢が叶うこともあるのだと気づかされた。

・家族が恋しくなる
「私もおばあちゃんと旅してみたい。」
「ひいおばあちゃんとも旅をしてみたかったな。」
と祖母や曽祖母がとてもとても恋しくなった。

家族との時間を大切にしたい人、 旅エッセイや異文化体験の本が好きな人や、一流ホテルのホスピタリティに興味がある人には、特にオススメの一冊です


『祖母姫、ロンドンへ行く!』椹野 道流 
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