『永遠の化学物質(フォーエバーケミカル) 水のPFAS汚染』ジョン・ミッチェル 小泉 昭夫 島袋夏子

『永遠の化学物質(フォーエバーケミカル) 水のPFAS汚染』ジョン・ミッチェル 小泉 昭夫 島袋夏子

焦げつかないフライパンや撥水スプレー、食品包装紙、便利な生活用品には健康被害の罠が・・・。

読むと恐ろしい事が書かれていますが、とても勉強になる内容です。

 

ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、耐熱性、耐油性、耐水性に優れた、おおよそ5000種類の合成化学物質郡です。

自然界で分解するのに数千年かかると言われています。

そのため、アメリカでは専門家たちが「永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)」とニックネームをつけました。

そして、ごくわずかな量でもPFASは健康被害に繋がる恐れがあります。

腎がん、精巣がん、甲状腺機能障害や、肝機能障害、高コレステロールに関係しています。

男女の生殖機能能力の低下も起こりえます。

子どもは成人より曝露しやすく、PFASは子宮の中で母から胎児に、母乳からも受け渡されるようです。

 

 

PFASの起源は、1938年、ニュージャージーにあったデュポン社の研究所に働いていた科学者が冷蔵庫の冷却剤の改良を試みていたところ、驚くほすべる白いロウ状の粉ができたことにより偶然発見されました。

これがテフロンと呼ばれるポリテトラフルオロエチレンです。

やがて、米国陸軍の目に止まり、原子爆弾の製造に、通常の配管では溶けてしまうところを、破損に耐えるように継ぎ目をコーティングするのに用いられました。

テフロンは取り扱いにくいため、取り扱いやすい方法を求めた結果、別のPFAS化合物PFOA(ペルフルオロオクタン酸)に答えを見つけました。

硬いテフロンを乳化し、コート剤として扱いやすく、そして安価にし、テフロンの焦げ付かないフライパンなどキッチン用品に活かされました。

1953年新種のゴムを開発中の3Mの科学者が、実験素材をキャンバス地のスニーカーの上にこぼしてしまうと、生地は見えない層で覆われ、見た目には変わらないのに、撥油性や撥水性を持つようになり、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)で組成された新製品スコッチガードを発表しました。

汚れや水を寄せ付けない生地や靴、カーペット、油分の多い食品を包む紙や、コンシーラー、ファンデーションなどに活かされました。

また、米軍と3Mによって、酸素を遮断することで火炎を素早く鎮火できる泡消火剤が開発されました。

 

ですが、PFASは有毒であり、地球のどこにでもあり、永久になくなりません。

人間だけでなく、野生動物の世界も汚染してしまいます。

河川や湖の淡水魚は、水と水中生物の捕食によって高いリスクで汚染され、貝類やカニ類の汚染も極めて高いです。

原因物質の製造工場から数千km離れた北極に棲むホッキョクグマの体からもPFOSが検出されています。

PFAS被曝の経路は、主に工場、軍事基地と民間空港、ゴミ処理場、排水処理の4つからであり、これらから土壌、大気、飲料水の取水源に入っていきます。

大半の人々にとってのPFAS曝露は、主に汚染された飲料水が原因でありますが、身近にある便利なもの、食品包装紙や焦げ付かない調理器具、歯間フロス、化粧品、家庭内の水分をはじくようなカーペットからのホコリなどからも曝露してしまうのです。

食品包装に関しては、環境ワーキンググループ(EWZ)が2014年〜2015年にかけて集められた食品包装を検査し、クリスピー・クリーム・ドーナツ、スターバックス、マクドナルドなどのファーストフードチェーン21社の放送にPFAS含有の疑いがあることが判明しました。

タイでは、検査の結果、飲み物や麺類の容器、フライドチキンやドーナッツの箱、ベーキングペーパーからPFASが検出されました。

 

生態系への影響では、有明海の浅い海および干潟に生息する生態系におりて、生物濃縮の研究がされており、イルカやカモ、カモメなどの肝臓で高濃度のPFOSが検出され、食物連鎖による生物濃縮の可能性が示唆されました。

PFOAは蓄積が軽度で生物濃縮の可能性は低いようです。

干潟の生物ではカキやムラサキガイ、ハマグリ、ゴカイで高濃度のPFOAが検出されており、生態系生物に生物濃縮が認められますが、種によりメカニズムや部位が異なる可能性が示唆されています。

 

日本でのPFOS・PFOAによる汚染について

環境省が2020年に全国171地点の河川水と地下水の汚染の実態調査の結果を公表しています。

調査は2019年に行われたものです。

日本でもっとも汚染が深刻だったのは大阪府摂津市の地下水。

次に、沖縄県の嘉手納基地および普天間基地周辺の河川水・地下水。

その次に、東京都調布市の地下水。

沖縄におけるPFAS汚染問題についても、重要なことが書かれていました。

 

日本はPFASから身を守るためにどうすると良いのか?

欧州環境庁(EEA)は、PFASフリーのスキンケア・ボディケア洋品屋調理器具を使う事を推奨しています。

また、PFASフリー商品に関するデータベースをチェックすることも大切だそう。

「環境ワーキング・グループ(EWG)はホームページにPFAS含有の靴、ジャケット水着製品のブランド一覧をあげています。

汚染された飲料水にEWGは、膜に水を通して汚染を除去するシステムをもつ活性炭フィルターや逆浸透膜フィルターの使用を推奨しています。(日本の家庭で使用可能だが、全てのPFASを除去できる訳ではない)

EWZが運営するネットの化粧品データベースでは、消費者が商品名を入力検索すれば、PFASその他の有害物質を含有しているかどうか調べる事ができます。(https://www.ewg.org/skindeep/)

さいごに

知らなかった事だったのですが、これから地球上で生きていく上でとても重要な事が書かれていたので

読んでよかったと強く思いました。

日本にもまだまだこのフォーエバーケミカルの恐ろしさを知らない人が多くいるようなので、まずはたくさんの人が知ることが大切だと思います。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です