『宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶』内山崇
スペースシャトルに憧れ、宇宙エンジニアになった内山崇さん。
2008年、JAXAの10年ぶりとなる5回目の宇宙飛行士募集に応募し、最終選抜試験まで残りました。
10ヶ月にも及ぶ試験への挑戦と、その後の12年の葛藤が描かれています。
漠然と憧れを抱いていた宇宙飛行士。
宇宙飛行士になるための、応募資格から、実際の試験内容、宇宙飛行士の資質などについても書かれており、非常に興味深い内容でした。
健康、体力、知識、技術、チーム性、オペレーション能力、言語スキル、人間性などを調べ尽くされるので宇宙飛行士になるのは本当に大変な事で、選ばれし人なのだなとつくづく思いました。
共に試験で闘った仲間たちとのライバルという関係を超えた絆にも胸が熱くなりました。
特に見事試験を合格した油井さんが、宇宙飛行士として国際宇宙ステーションに行き帰ってきた時のみんなへのプレゼントが素敵でした。
最終選抜試験に残った10人のみんなで一生懸命折った千羽鶴のうち10羽を、国際宇宙ステーションの出窓に舞わせて撮影した写真と、搭乗証明印が捺された折り鶴をみんなにプレゼントしたのです。
地球を背景にし、カラフルな鶴が宙を舞う写真なのですが、すごく美しく、幻想的でした。
やっぱり宇宙飛行士になれる人は、心に熱いものを持っている人なんだなと改めて思いました。
内山さんは普段の生活から宇宙飛行士だったらこういう時どうするか?などと考えていたそうで、そういう考え方っていいなと思いました。
また、マンダラチャートという、大きな目標を叶えるために、小項目を設定することで、目標の細分化、具体化・視覚化ができるツールを、当時ではなく、現在の内山さんが作成したものが掲載されているのですが、面白かったです。
私がここしばらく、目標なしに生きているのでダメだなと思ってはいるのですが、何がしたいのかわからなくってずっとモヤモヤしています。
内山さんの大きな挑戦を知り、私なりに前に進んでみたい、何かに挑戦してみたい、というポジティブな気持ちになりました。
宇宙。
広くて、未知が広がる世界。
いつか行ってみたいなぁ。
宇宙系の本だとこちらも面白かったです。
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