『吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる』吉本ばなな
悩み事は別の角度から光が当たると、今苦しんでいることが簡単に解決できることがあると言うことで、ばななさんが36個の悩みについて答えています。
ばななさんが人にアドバイスするときに心がけていることは、人は悩みの渦中にいるうちは、問題の本質をきちんと見ることができなくらい混乱しているため、相談者が10年後に思い出して腑に落ちるように伝えることだそう。
ばななさんの考えを知ることができるとても興味深い内容です。
もし、まさに同じ悩みがあったとしたら、こういった考えがあるという参考になるんじゃないでしょうか。
書かれている質問内容の一部です。
・友だちが結婚したり、好きな仕事をしていることを妬んでしまう時があり、罪悪感があります。こんな時の対処法は?
・社会人になって新しい友だちを増やしたいけれど、友だちの作り方が思い出せず困っている。
・高校でうわべのつきあいをして疲れている。本当の友だちを作るには?
・突然友だちに無視されたり裏切られたりして、人間不信になっている。人間不信を克服するには?
・元カレと友だち関係に移るということはあり得る?
・友人からお金を貸してほしいと言われたとき、どのように対処する?
・数人の友だちに相談したら回答がバラバラで、どれを参考にしていいかわからない。
・女友だちから「不倫交際している」と打ち明けられ、彼女を制止したくなっている。こんなとき、どのようなことを友だちに言う?
・小学生の子どもが友だちづきあいで悩んでいることに気がついた。母親として介入した方がいい?
・仲のいい女友だちは仕事をしながら、結婚もして子どもがいる。独身で恋人もいない私とは話が弾まなくなっている。
・職場のグループは同僚の悪口が多いので、ほどよく離れる方法はある?
・ばななさんは「人は見た目がすべて」と言うが、友だちになりたい人はどんな見た目?
・気心のしれた友人と会社を作るときに、どんなことに注意したらいい?
・同性の親友に恋愛感情を抱いている。彼女には片想いしている男子がいる。カミングアウトした衝動をどうしたらいい?
・ばななさんの強く心に響いいた友だちからの助言はある?
ここから先はばななさんの考えで、私が覚えておきたいなと思ったことをメモのように書いています。
友だちと仲間についての話では、特に話がある訳じゃないけど顔が見たくて連絡しちゃう人というのは「仲間」。
桜井章一さんという経営者、作家さんも「友だち」はいらないけれど「仲間」は大切。
ばななさんは子どもの友だち問題については介入しないスタイルで、「本当に辛いことがあったらすぐに私に言ってね」と伝えている。
ばななさんは、人間の中身がすべて見た目に出ている人を信頼するそうで、よく見るパーツは目。
人間を判断する能力は現実社会で色んな人と出会って、接して、ときに痛い目でも遭いながら鍛えていくしかない。
不倫をしているカップルをたくさん見てきたそうですが、ほんとんどの人が同じようなところで挫折してしまっている。
でも稀に突破する人もいて、その方々は特別なものを持っている。
不倫というと丹羽文雄さんの「山肌」という小説が思い浮かぶようで、最終的に結婚したり、最後まで添い遂げた不倫は、みんな「山肌」っぽくお互いのことも、それぞれの人生も大事にしているカップルである。
この本に出てくるエピソードは実際とは少し変えているのですが、1/3くらいはある1人の女性で、この本を作っている間に彼女は亡くなりました。
最期の瞬間「親の死に目にもあっていないのに、どうしてくれるんだ!でも、ありがとう、ほんとうにおつかれさま、ありがとう!」と泣き叫びながら、手を握っていたのだそうです。
グッとくるエピソードでした。
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